香水忘備録

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ディオールでコスメを購入したらサンプルを選んで良いというのでまだ利いたことのないJOYを選んだ。カウンターの女性は甘い香りですよねと私に問いかけるのだけれどもディオールの香水をほぼ利けない私は甘いのですか?と問い返した。柑橘系の香りがしますと言うとベルガモットが入っていますから、と返答。蜜柑系ということだろう。再度ムエットの香りを試すがやはり柑橘系、ツンとする酸味を除いた果物の香りしかしない。喜びと名付けられた香水なのだから歓喜を呼び起こすような驚きや煌めきが注入されているはずに違いないのに、私には相変わらずディオールの香りがわからない。それをお伝えするとミスディオールの最新版、ローズデローズを持ってきてくれた。聞けばミスディオールは現在5種ほどシリーズが出ているとのこと。弾けるような薔薇の香りを表現した、というローズデローズはわずかに薔薇の香りの漂った後にやはりいつも通り甘い水の香りしかしなかった。もともとこの香りなのか私が間違っているのか世の女性の心をクロエ並みに掴んで離さないミスディオールがわからないのは香水好きとしてかなりの損をしていると思う。申し訳ないがこれも分かりませんと伝えて次に男性用のソバージュをお願いした。EDTはマリン系の甘ったるさをラベンダーで消したいいところどりの爽やかさがある。EDPはそれにヴァニラの甘さを加えたしっとり感。PはEDPに渋みを加えて男性性を強調している。3種とも女性でも使える香りだった。私はソバージュのEDTをお願いした。実は今日はすでに私は薔薇の香りを意外な場所でかいでいた。髪を切りに行った時に使用されたN.というメーカーのトリートメントがまさしく薔薇の茂みを歩いているような花と木々の調和された香りだった。香水というよりアロマに近かったけれども瞬間、薔薇のアーチが見えたのだ。話題にのぼるだけのことはある。

 

追記:かつてのYSLのようにハマるのではないかとJOYのムエットを手元に帰宅したのだが幸か不幸かリブレのような事態には陥らなかった。ただ知ったのは、ほぼかっきり1時間後、JOYが柑橘からヴァニラの香りに変化したことだ。リトマス紙が赤から青に変わるような鮮やかな変貌ぶりだ。紙上の変化は温度とは無縁である。おそらくディオールの女性がくれたものはJOYインテンスverなのだろう。