バッハのフルート・ソナタ BWV1013:Allemsnde

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Partita first solo flute in A minor BWV1013:Allemsnde

 

上記の題の曲を聴いている。
バッハのフルート・ソナタだ。
演奏しているのは“エマニュエル・パユ”というフルーティストである。20代でベルリンフィルの主席フルーティストであったといえばその才能の凄さは伝わるだろう。

 iTunesのラジオで聴き流しをしながら仕事をすることが多く、結構な頻度で心惹かれる曲に出会う事がある。そんな時は急いで曲名と演奏家を確認し、プレイリストに入れ後ほど詳細を確認する。

エマニュエル・パユもそうして見つけた演奏家の1人だった。私はフルートの演奏には明るくは無いが、演奏の安定感や音色の響き具合からバッハのフルートソナタを楽しむには文句の無いの演奏家だろう。

このソナタを初めて聞いたのは10代の半ば頃だったと思う。思春期の最中で、夕暮れに自室に立ち尽くす自分の後ろ姿が、未だに色濃くまぶたに焼き付いている。

その頃からバロック音楽を好んで聴いてた。ジャン・ピエール・ランパルが好きで、当時はNHKのFMラジオで曲や演奏家の名前を知り、おそらく彼の奏でるフルートでこの曲を覚えたと思う。

香りと同じように音楽も記憶を呼び覚ます。この曲は十代の、不安定で曖昧で未熟で置き所の無い、故に感傷的な感情を思い出させる。二度と当時には戻りたく無いが、また懐かしく当時を振り返る曲である。