「原題のピアニスト30」の副題について

ここ数日は上記の本のページをめくっている。
今日は著者の青澤隆明氏のピアニストに添えた副題を載せたい。

 

ポリーニ 未来というノスタルジー
アルゲリッチ 終わりなき祝祭
バレンボイム 交響する社会
アシュケナージ 人間の正直
リグット 夢見る頃を過ぎても

 

アファナシェフ 歴史の終焉を超えて
ルプー 孤高の探索者
内田光子 凝視と構築その方法
ペライア 調和への抒情
ゼルキン 夢想家の帰郷

 

ツィメルマン 透明の庭で
シャオメイ 中庸の大河
プレトニョフ 可視化された音楽
清水和音 永遠の青春
ポゴレリッチ 自意識の迷宮

 

アンデルシェフスキ 孤独の断定
アンスネス 人間の自然
タロー ピアノとの和解
ヤブロンスキ 無垢と経験
グリモー 野生の愛情

 

ファジル・サイ 異世界への架橋
ティル・フェルナ カメレオンの音楽
ポール・ルイス 清新と率直
エマール 時空の対位法
キーシン 不惑ハムレット

 

以下続くのだが、目を通していただくと分かるように
実にファンタスティックな副題を青澤氏はつけてくれているのである。
アルゲリッチアシュケナージツィメルマンアンスネス、サイなどは、言い得て妙であるし、リグットは聴けばその通りであった。まだ未聴の作曲家も、副題と比べてみたい気持ちがはやる。

 

まるで小さなきらめく宝石か、もしくは演奏家を照らす額縁のようなこの副題を眺めていると、私はとても幸せな気持ちになるのだ。