2024-03-27 X 016 X 長編小説 外は月明かりが煌々と照り、歩くには問題なさそうだった。母屋までは目と鼻の距離だ。自分の家の庭に怖いこともない。時計の針は10時を指していた。「では遠慮なく使わせてもらうよ。私の方が1日ここへ来るのが早かった。母屋に私の自室は残念ながら無い。どこへも行くあてがない。譲ってもらったお礼を言おう。そして、私の絵はおそらく君の父君の妹の部屋に飾ってある。見たければみればいい。」そういうと投げ捨てるようにテーブルへネクタイを放り投げた。「では失礼。もう寝ることにする。夜道に気をつけて。おやすみ。」