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「エアコンをつけましょうか?」
返事を聞く聴く前に私はテーブルに置かれたリモコンを手に取って勢いよくボタンを押した。
「貴方って本当に不思議な方よね。世間で噂されてる貴方の渾名を教えてあげましょうか。絶対0度の男。私とは生涯縁のない良いニックネーム。一度くらいそんなふうに言われてみたいと思うわ。」
乱れた髪のままベッドの中に潜りながら私は言った。片手に持ったグラスはミネラルウォーターだ。彼はディナーでさえアルコールを口にしない。身体に悪い影響を与えるものを寄せ付けないようにしている。食事でも人物でも物事でも。
エドワード・ソロモンが来てるの。家に。離れで会って、彼はそこに滞在してる。昨日から。詳しくは知らないけど、貴方は彼をどう評する?」